


【Youtube更新】#文学フリマで買った本 『赤沼家の殺人』byKan 勝手に感想語ろう会

コラムを更新しました:偉大なる横溝正史!新生ミステリ研究会メンバーのおすすめ作品をご紹介!

こんにちは、会長の庵字です。
今回は、去る2025年8月24日に開催された「文学フリマ札幌10」に出店した様子などを私の視点から綴っていきたいと思います。
8月23日
新潟と札幌とは、新潟市に拠点を置く航空会社「トキエア」が直通便を飛ばしています(新潟空港~丘珠空港)。飛行時間は約1時間半。新潟からこんな短時間で札幌へ行けるとは、凄い世の中になったものです(何時代の人?)。丘珠空港は、札幌中心部まで直通バスで三十分程度という立地で、小さいながらも札幌へ行くには大変便利な空港です。いざとなったら、地下鉄東豊線栄町駅から徒歩二十分程度で行き来もできます。
札幌の地に立ち、まず私が向かったのはHTB(北海道テレビ放送)でした。札幌、北海道といえば、伝説のバラエティ番組「水曜どうでしょう」(以下「水どう」)を外すことはできません。私も好きでよく視ていました。HTBビルのエントランスをくぐってすぐに、コーヒーショップと併設してグッズ販売コーナーが設けられており、「水どう」は「onちゃん(「水どう」でもおなじみのHTBのマスコットキャラクター)」とともに、道民の生活にすっかり根付いた存在なのだなと実感しました。
お昼にはラーメンをいただき、夜は参加メンバーのひとりである尾ノ池さんとジンギスカンを囲みました。食後はバーに入り、会の活動や創作について色々と話し合いました。面白そうな企画も考案できましたので、今後の展開にご注目いただければと思います。
8月24日
開催当日となりました。会場は「札幌コンベンションセンター」。最寄り駅の「東札幌」から徒歩十数分という立地です。場内は広く、すべてのテーブル同士に間隔が空けられており、バックヤードもじゅうぶんな奥行きが設けられていたため、ブース設営や運営はたいへん快適に行うことが出来ました。今回の参加メンバーは、私、尾ノ池さん、視葭さん、の三名でした。昨年の札幌開催参加時は菱川副会長のワンオペだったため、札幌開催初参加者ばかりです。
毎回おなじみの無料配布短編は、今回は250部用意していったのですが、札幌の来場者の皆さんは配布物を受け取ってくれる率が比較的高く、イベント終了まで数十分前を残した時点で配布し終えてしまいました。本を購入いただいた方には、例によって新潟限定米菓「サラダホープ」と、今回はなおきひろさん描き下ろしの安堂理真ポストカード(「水どう」の聖地、平岸高台公園に立つ理真)を特典として配布しました。どちらも30用意していきましたが、こちらも途中でなくなりました。概算ですが、購入者は60人くらいいらっしゃいました。お買い上げいただき、ありがとうございました。
今回、なかなかエモーショナルな場面を見かけました。小学校高学年くらいの女の子が、おそらくお父様とご一緒にブースに来られて、拙作『妖精館殺人事件』を購入していかれたのです。試し読みコーナーに同作を置いていたので、それに目を通して来られたのでしょうか。本をぱらぱらとめくり、お父様に「これが欲しい」というようなアプローチをして、買ってもらっていました。札幌の地に若いミステリファンの息吹を感じ取り、すれっからしの「本格ミステリの鬼」(笑)たちだけではなく、こういった若年の読者も作品に触れる可能性があるのだと、ミステリ界の末席を汚す身ながらも背筋が伸びた瞬間でした。楽しんでいただけたら望外の喜びです。
新生ミステリ研究会では、ブース前に足を止めてくださった方に「ミステリは読みますか?」「好きなミステリ作家はいますか?」とリサーチも兼ねて伺っているのですが、今回「好きな作家」に森博嗣を挙げた方が三名もいらっしゃいました。他の開催地で森博嗣の名前が出てくるのは一回あればいいほうという印象だったので意外でした。森博嗣は北海道出身でもないのに(愛知県出身)、なぜか道内で大人気です。ミステリ界の木戸修と呼んでも差し支えないのではないでしょうか、森博嗣。
(木戸修):新日本プロレスに所属していた技巧派プロレスラー。神奈川県出身だが、なぜか北海道で異常な人気を得ていた。激しい闘いの中でも、きっちりセットした髪型が崩れないことも話題だった。必殺技:キドクラッチ。2023年没。プロゴルファーの木戸愛は長女)
さて、今回、私は、HTBで購入した「onちゃんTシャツ」を着込んでブース入りしたのですが(北海道媚び媚び 笑)、それについて突っ込んできた方は誰ひとりいませんでした。北海道では「水どう」ならびに「onちゃん」は、もはや突っ込むまでもない日常生活に根付いた風景であるということなのでしょうか? 騒いでいるのは道外の人間だけなのでしょうか。
場内では、来年も文学フリマ札幌開催が決定したとのアナウンスもありました。お客様の中に、私の安堂理真シリーズが「文学フリマ開催地を舞台に書き下ろしている」と説明した際、「札幌はないんですか?」と訊いてこられた方がいらっしゃいました。そう言われたらやらないわけにはいきません。来年は札幌を舞台にした作品を引っ提げて参加したいと思います。
16:00になり、文学フリマ札幌10は開催終了。「叙述トリック・アンソロジー」は少し強気の24部持ち込んだのですが、おかげさまで完売いたしました。ありがとうございました。出入口付近にあるホワイトボードに「新生ミステリ研究会楽しかったよ(ネコちゃんのイラスト付き)」というメッセージも発見し(ありがとうございます)、ほっこりした気持ちで札幌コンベンションセンターをあとにしました。
札幌駅近辺で恒例の打ち上げを行い、北海道の海の幸を堪能しました。尾ノ池さんと視葭さんは、その日のうちに札幌を発たれるということで、打ち上げとしては早い時間でのお開きとなり、文学フリマ札幌10での新生ミステリ研究会の活動は無事終了いたしました。
8月25日
私はもう一泊したので、飛行機の時間まで札幌市内を観光して廻ることにしました。
まず向かったのは「水どう」数々のロケが行われた聖地「平岸高台公園」です。敷地のほとんどが斜面になっており、遊具が数点設置されているだけの、一見しただけでは何の変哲もない公園なのですが、「水どう」を知っているのといないのとでは見え方が違ってきます。ここで数々の伝説のロケが行われてきたのだと思うと感慨深い。公園内に佇めば、気分はすっかり大泉洋です。頭の中に樋口了一の「1/6の夢旅人」(番組テーマ曲)が流れ始めます。番組リスペクトを込めて夜行バスで帰ろうかという想いも頭をよぎりましたがやめました。飛行機のチケットも取ってありますし。公園出入口には番組が寄贈したモニュメントも置かれていました。
飛行機の出発時間の関係で、あまり遠出はできないため、残りの時間は札幌駅周辺で過ごすこととして、札幌駅に併設した「JRタワー展望室T38」へ上りました。地上160mから札幌市内とその周辺を一望できる展望施設です。この日は若干の曇り空でしたが、眺望にほとんど支障はありませんでした。晴天であれば、さらなる絶景を拝むことができるのでしょう。カフェも併設されており、ずっと居られる空間です。
とはいえ本当にずっと居るわけにもいかないので、次の目的地である「赤れんが庁舎」へ向かいました。1888年(明治21年)に竣工し、幾度かの回収を経て現在に伝わる歴史的建造物で、国の重要文化財にも指定されています。私は昔、こういった何度も修繕を繰り返して維持されている歴史的建造物について、「そこまでして(現代の資材で作り直してまで)維持する必要があるのか? 当時のものが失われたら、それで終わりとしていいのではないか? 仮に当時の材質と修繕した材質がすっかり入れ替わってしまったら、それはもう別のものになるのではないか?」という「テセウスの船」みたいな感覚を抱いていたのですが、たとえ改修が重ねられ、当時そのままではなくなっているとしても、そこにある「場」のようなものは確かに在り続けるのではないか? 物体に固執せず、目に見えない「存在」「歴史」を感じ取ることが必要なのではないか? と考えを改めるようになりました。館内には、北海道開拓の歴史、アイヌ文化、樺太関連の見ごたえのある貴重な資料が数多く展示されており、ちょっと時間を潰す程度の気持ちで入ったのですが、かなり長居をしてしまいました。建物自体も当然魅力にあふれていて、ミステリ書きの性(サガ)として、「こんな建物で殺人事件が起きたら……」というようなことを夢想してしまいます。
赤れんが庁舎を出ると、もう移動時間を考慮してフライト時刻ぎりぎりか、というところだったのですが、強行軍で最後にスープカレーをいただいてから丘珠空港へ。無事新潟へと戻りました。
見どころが多く、食べ物もおいしく、人もやさしい。札幌は素晴らしい街でした。来年も必ず来ます!
次回は9月14日「文学フリマ大阪13」です。私と凛野副会長は参加決定で、他のメンバーは調整中です。隣接して安条序那さんも個人ブース「安条序庵」を出店されます。
次は大阪でお待ち申し上げております。