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  • Audible にはまっている話

    こんにちは。尾ノ池です。

    大変今更ながらAudibleにはまっています。
    Audibleでミステリー小説を聴いて、考えたことをつらつら書いてみようと思います。

    ①Audible は読書か否か問題

    Audibleを利用し始めて、ぶちあたった疑問がまずこれです。

    「これは読書か!?!?」

    結論からいうと、読書ではありません。

    それはいくつか理由があります。

    まず一つ目が、当たり前ですが書物を読むものではないから。
    印刷された文字を読んで、物語の場面を描いていくことが読書ならではの情報処理プロセスです。
    一方、Audibleは音声情報を理解して物語を知っていくプロセスです。
    めっちゃ当たり前ですが、「読む」と「聴く」は全然違いました。
    読書は書を読むと書きますが、Audibleを通してやっとこの意味が分かりました。

    Audibleは、本の内容を知るという意味では読書と一緒です。
    しかし文字情報の処理プロセスが全く異なるため、体験は全く別のものとなります。

    よって、Audibleは本の「メディアミックス」になります。

    ②Audibleは手軽な朗読劇体験

    では、聴く読書。Audibleのメリットとデメリットをあげていきたいと思います。

    メリット
    ・ながら聴きができる(むしろながら聴きしかできない)。
    ・朗読者の技量によっては感動の本体験ができる。有名声優や有名俳優の作品体験ができる。
    ・本の場面によっては印象に残りやすい。
    ・エログロの描写がより強烈な印象になるため、白井智之などの作品の臨場感がより伝わる。
    ・強制的に話が進むため、難しい本でも読み終えることができる。
    ・睡眠導入によい。
    ・最新の本もたくさん入っているため、本を買うよりも断然安い(例えば本屋大賞ノミネート作品はほぼラインナップに入っている)。

    デメリット
    ・一冊聴き終えるのに時間がかかる(10時間とか普通にかかる)。場合によっては読んだ方が早い。
    ・本の内容によっては話が全然頭に入ってこない。
    ・朗読者の技量や話し方によっては相性が合わないことがある。
    ・朗読者のキャラクター造形、声音などに解釈違いが起こることがある。
    ・セリフに感情がのるため白々しく聞こえることがある。
    ・どんでんかえしや衝撃の一言も同じスピードで通り過ぎる。巻き戻しが必要なことがある。
    ・ホラーミステリー小説の描写で、例えば「呪い呪い呪い呪い……」と続くところはそのまま読み上げてくれるため、思わず笑ってしまう。

    このうち、以下の部分を深掘りして語っていきます。

    ・朗読者の技量や話し方によっては相性が合わないことがある。
    ・朗読者のキャラクター造形、声音などに解釈違いが起こることがある。

    読書であれば自由に想像でき、キャラクターの人格や声音が朗読者により規定されてしまいます。
    読書よりもAudibleのほうが受動的な読書体験です。

    この時直面する問題が「解釈や認識が一致するか」というリスクがあることです。

    Audibleには有栖川有栖の火村英生シリーズがいくつか収められていますが、
    火村英生がどんなキャラクターか、こだわりがある人はびくびくするところでしょう。

    私があまり肌にあわなかったキャラクターとして、市川『ジェリーフィッシュは凍らない』の女刑事マリアでした。二倍速で聞いたこともあり、女性ボイスがなかなかハイトーンでヒステリックに聞こえ、本体験のなかではノイズになってしまいました。これは本のせいではないため、少し残念でした。

    女性朗読者がおばちゃんボイスの時も身構えてしまいます。
    『祝山』を聴きましたが、二倍速で聞いたところ関西のおばちゃん風に聞こえてしまい、あまり怖くなかったです(笑)。

    反対に、相性の合う朗読に出会うと大変貴重な読書体験になります。

    結局、没入感と現実逃避、虚構のエンタメ世界を冒険できれば、Audibleでも書籍でも何でも楽しいものなのですね。


文学フリマの近況雑感

  • 文学フリマ岩手11_雑感

    庵字

     二年ぶりの岩手出店でした。地方開催ということで、広島での反省を踏まえて冊数は少なめに持ち込んだのですが、雪の広島という状況がイレギュラーすぎたのか、岩手がミステリと親しい土地柄なのか、ちらほらと完売が出る結果となりました。開催日の盛岡も天候は雨だったのですが、あまり客足に影響は与えなかったようです。安条さん作品は4作まとめ買いされるかたもいて、人気と知名度が広がっていると感じます。『ミスフリ』もナンバー全作まとめ買いされたかたがいらっしゃいました。
     全ブースをゆっくり歩いて見て廻るだけなら数十分で完了できるような会場規模で、開催地に関連した出店(宮沢賢治もの)も目に付き、前回が東京開催だったこともあって、これが「文学フリマ」の本来あるべき姿なのかもしれないな、などということも感じました。
     1サークル1ブースという制限があった中、尾ノ池さんのお父様開発製作による、背表紙向け陳列用の新型棚が満を持して投入され、従来の表紙を向けた陳列用の棚と併用して、1ブースのスペースであっても、30以上もある本をすべて陳列することが出来ました。本来想定していた設置方法ですと、本の重量に負けて棚自体が自立できなくなるという問題が発生しましたが、尾ノ池さんの機転でクリアされました。棚の効果はかなり大きかったと感じます。表紙を向けていない本でも、来場者が興味を持った作品は手に取って見てくれましたし、背表紙向けは表紙向けに比べて占有幅が激減しますので、旧作をすべて背表紙陳列用の段に置いてもなおスペースが余るため、同じ段にもう一冊や二冊、表紙を向けて本を置くことが出来ます。全体的に本当の書店みたいな陳列に見えて、自分の作品が書店の棚に並んでいるような気になって、なんだか感慨深かったです(笑)。新兵器投入により、まだまだ本を並べることが可能になりましたので、皆さん、どんどん書いてください。本の価格も、痕が残らず剥がせる弱粘テープで表紙に直接表示する形式にしたので、棚の枠にクリップを使って作品内容を紹介するミニポップを出しておくなどすると目にとまりやすくなって効果的かもしれません。
     無料配布は残部が15出ましたが、途中で疲れて配布をやめた時間帯があったので、真面目に(笑)配っていれば100部は問題なく配布できていたと思います。配布率は久しぶりに二桁台の13.8%となりました。無料配布を集めているのか、声をかけると積極的に受け取ってくれる人と、そうでない人とがはっきりしてきたなと、ここ数回の文学フリマに参加してみて感じました。「新生ミステリ研究会の無料配布は面白いからもらってこよう」みたいに思って名物になってくれるのが理想です。今後は、参加メンバーの疲労も考えて、休憩しながら配布を終えられる程度の見積から少し少なめ程度の部数を持ち込むのがよいのではないでしょうか。












    無料配布

    『毒入りまんじゅう事件』庵字


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