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2026年 新年ご挨拶

 新年あけましておめでとうございます。会長の庵字です。
 いや、新年のあいさつには遅すぎるやろ。もう年始の空気ないわ。と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、私は「年が明けてから曜日が一周するまでは年始」と勝手に定義していますので、7日までが年始です。
 さて、こうして始めたはよいのですが、何を書こうか迷っておりまして、というか、本コラムで私が登場する頻度が高いこともあり、ネタのストックも枯渇している状況ですので、ここは新年一回目ということで、今年、2026年の会の展望や、年末年始にかけて起きた気になった話題などを、徒然なるままに書いていこうかと思います。ミステリとはまったく無関係な話題も出てくるかもしれませんが、年始ということでご容赦ください。最後までお付き合いいただければ幸甚です。

・文学フリマ出店後のコンテンツを今年から拡大
 新生ミステリ研究会では、出店参加した文学フリマについて、ホームページのコラムで会場での状況や開催前後の個人的な観光の様子などを発信しておりますが、今年から内容をパワーアップいたします。というのも、研究会では、文学フリマ出店に際して、当日の客足や販売状況、無料配布の受け取り状況、特筆すべき事柄などを、内輪の「雑感」として毎回私が書いてメンバー間で共有していたのですが、かねてから凛野副会長より「内容を公開してもよいのではないか」と提案いただいておりました。そこで、本年から、開催の大まかな話題だけでなく、具体的な販売状況などをより詳細に綴った「出店記録」的な内容として刷新いたします。文学フリマに出店してみたいけれど、実際はどんな感じなのか知りたい、という方などの参考になるようなコンテンツにしていければと思っております。

・YouTubeチャンネル開設
 2025年のおいての当研究会の大きなトピックのひとつです。メインコンテンツは「読書会」ですが、それ以外にも、テーマ別に沿った「おすすめミステリ紹介」、「謎解きミステリゲーム」「短編朗読」など、開設してわずか数箇月のあいだに多くの動画を揃えられたのではないかと思っています。文学フリマにおいてもブースを訪れてくれた中に「動画を見た」とおっしゃる方もそこそこいらして、当会を知っていただく新たな窓口になってくれています。
 現在、チャンネル運営、動画編集は尾ノ池さんに、朗読コンテンツは菱川副会長に、それぞれほぼ一任している状況ですので、少しでも負担を分散できればいいなとも思っています。

・「スーパー戦隊シリーズ」終了
 個人的に2025年重大ニュースの一角を必ず占める衝撃的な話題でした。
 1975年の「秘密戦隊ゴレンジャー」を祖とし、50年以上もの長きにわたって子供たち(そして大人も)楽しませてきた「スーパー戦隊シリーズ」が、現在(2026年1月)放送中の「ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー」を最後に終了することとなりました。
 スーパー戦隊が残してきた功績は多岐にわたりますが、地味に大きいのは「導入しやすいヒーローフォーマットを作った」ことなのではないでしょうか。全国津々浦々に存在する数々のいわゆる「ご当地ヒーロー」のほとんどが「戦隊」をモチーフにしていることからそれは明白です。「似通ったデザインで色だけ変えたヒーロースーツを数体用意するだけ」という手軽さ。「仮面ライダー」や「ウルトラマン」と違って、スーツのデザインも簡素(予算をかけず)に済む。など、導入に際してのハードルは低いけれども、その割に見栄えがして形になり、一目に「ヒーローだ」と認識してもらえる、というのが大きな理由でしょう。仮に「仮面ライダー」や「ウルトラマン」などをモチーフにご当地ヒーローを作ろうとしたら、スーツ(着ぐるみ)にはある程度のクオリティが求められることになります。ご当地ものとはいえ「ヒーロー」にはやはりそれなりの「格」が必要となるからです。こんなことを書くと、では「戦隊」は「ライダー」や「ウルトラ」に比べて格が低いのか? と思われるでしょうが、それはまったくそのとおりです。「チープでも成立する」。決してくさしているわけではなく、その間口の広さが「戦隊」の魅力のひとつでもあるわけです。
「ライダー」や「ウルトラ」は、「大人の鑑賞にも堪えうる」などの評価を得ることがままありますが、「戦隊」に対してそういった評価がされることは稀です。むしろ、そんなことを言うと、「子供を置き去りにしていて好ましくない」と批判を受けるくらいです。
 また、戦隊の大きな特徴として、「時代の流行り、子供に訴求する要素を貪欲に取り込む」というものがあります。この点は「ライダー」や「ウルトラ」にはあまり見られない傾向なのではないかと思います(近年のライダーはそうでもありませんが。2010年代後半の、いわゆる「平成2期」と呼ばれるシリーズあたりから、ライダーが戦隊の個性だった要素「流行り物」「明るい作風」「集団ヒーロー化」を取り入れはじめて、戦隊とライダーの住み分けが徐々に曖昧になっていったことも、戦隊凋落の原因のひとつにもなっていると思いますが、これについて語ろうとすると長くなってしまうため割愛します)。「ライダー」や「ウルトラ」が、ある意味超然として、子供たちを導く姿勢であるのに対して、「戦隊」は、それはもうガツガツと「媚び媚び」と表現してもいいくらいに子供に食い込んでいきます。「ライダー」「ウルトラ」は先生で、「戦隊」は友達、という印象でしょうか。「大人や後世の評価などいらない。一年経ったら忘れてくれてかまわない。とにかく、いま目の前にいる子供たちが楽しんでくれたらそれでいい」これがスーパー戦隊の哲学でした。「今日強ければ明日はいらない」という覚悟で戦う、漫画「刃牙シリーズ」の登場キャラクター「ジャック・ハンマー」を彷彿とさせます。
「あくまで子供向けに、今という時代を走るだけ」。スーパー戦隊は、そんなアイデンティティを50年にもわたり守り続けてきました。身近で、チープで、誰でも真似できて、そうであるがゆえに親しみやすい。スーパー戦隊は、まさに「ピープルズヒーロー」だったのです。
 そんな姿勢に徹し続けてきたコンテンツが人気低迷で終了するという事実は、日本社会のありようが確実に変わってきたことの証左でもあるように感じます。単純に「少子化」という物理的な意味合いだけでないと思います。実際、「ライダー」や「ウルトラ」は継続的に人気を博し続けていて、これは、メインターゲットの子供だけでなく、大人のファンも顧客の中での大きな割合を占めているからこそ成り立っている状況なわけです。「子供的な部分」ひいては「単純なコンテンツ」というものを、もう日本社会は(大人も子供も)必要としなくなったのかもしれません。
 ひとつ、個人的に心残りがあるとしたら、50年も続いた中に、「探偵」をモチーフとした戦隊がついに現れなかった、ということです。

・新シリーズは「名探偵プリキュア」!
 2025年末、衝撃的なニュースにミステリ界隈が激震しました。女児向けアニメの人気シリーズ「プリキュア」の次回作のタイトルが公開され、それが「名探偵プリキュア」だというのです。「スーパー戦隊」で成しえなかった「探偵モチーフ」が、まさかプリキュアで果たされようとは(ちなみに「仮面ライダー」では、「仮面ライダーW(ダブル)」という探偵モチーフのシリーズが存在します)。戦隊終了で「ニチアサ」(日曜朝に放送される「戦隊」「ライダー」「プリキュア」をまとめた総称。「日曜」と「朝」、さらに放送局の「テレビ朝日」もかけている)から遠ざかろうとしていた私ですが、「名探偵プリキュア」だけは視聴しようと思います。
 大きな声では言えませんが(笑)。二次創作的な小説も書くかもしれません。続報を楽しみに待ちたいです。

・オリンピック金メダリスト・ウルフアロン、プロレスデビュー!
 これも2025年の個人的重大ニュースのひとつです。あちこちで報じられていることですが、オリンピック金メダリストがプロレスラーになるのは日本初。しかも、客寄せパンダ的に半ば無理やり引っ張ってこられた、というのではなく、プロレスファンであったウルフアロン自身が直訴しての入門(新日本プロレス)というのだから驚きでした。金メダリストだからと別段の特別扱いは受けず(本人もそれを希望したそうです)、道場でハードな練習をこなしつつ、他のヤングライオン(新日本プロレスにおけるデビューしたての新人レスラーの総称)たちに混じって、リング設営や選手の誘導などの雑務に励む姿も話題となりました。
 ウルフアロンのデビューは、2026年1月4日の東京ドーム興行(ファンの間では「1.4(イッテンヨン)」と呼ばれ、毎年の恒例興行となっています)と決められていましたが、そこへ繋がる〝前段〟も周到に準備されました。11月に行われた興業において、試合は終わったにもかかわらず相手選手をいたぶり続ける〝ハウス・オブ・トーチャー〟(新日本プロレス内のヒール(悪役)ユニット。以下「H.O.T」)の悪行に我慢がならなかったウルフアロンは、練習生という身分にもかかわらず、リングに上がりH.O.Tの選手たちを柔道技の払い腰でばったばったと投げ捨てたのです(観客からは大歓声)。この行為にH.O.Tの首領、EVIL(イービル)が激怒。それに呼応してウルフアロンも「デビュー戦、EVILとやらせてください」と直訴し、1.4での激突が決定しました。
 デビュー戦に際しては、「どんなコスチュームを着るのか」も話題となり、何かのインタビューでそれについて訊かれたウルフアロンは、「考えています。当日まで秘密です」と答えていました。デビュー直前に行われた記者会見では、対戦相手のEVILから「負けたら坊主になって、さらに、以降、柔道着の着用禁止」という理不尽な要求を突きつけられ、あろうことかウルフアロンはこの条件を呑みます。
 そして迎えた1月4日。入場ゲート前に姿を見せたウルフアロンは、野武士のようだった蓬髪を刈って坊主頭にしており、さらには着ていた柔道着をすぐに脱ぎ捨ててしまいました。そして、柔道着の下に着込んでいたコスチュームは、黒のショートタイツ一枚だけ。このスタイルは、新日本プロレス創始者、アントニオ猪木から続くプロレス概念「ストロングスタイル」の象徴で、新日本プロレスでデビューした新人は、まずこのスタイルで試合をしていくことが義務づけられています。試合後のバックステージでウルフアロンは「入場時に柔道着を脱いだのは、もう今後これを着ることはない、という覚悟の表明」とコメントしました。EVILが挑発するまでもなく、最初からウルフアロンは、頭を坊主にして、柔道着を捨てる覚悟でいたわけです。しかもコスチュームは、ヤングライオン伝統の黒のショートタイツ。どんなに華やかな、かっこいいコスチュームで来るのだろう? という我々ファンの妄想、期待を、ウルフアロンは意外すぎる、しかし、考えてみれば当たり前の形で飛び越えてきたのです。
 試合に関する事柄についても事前に話題となりました。対戦相手であるEVILの必殺技「EVIL(選手名と技名が同じ)」は、「変形大外刈り」ともいうべき、いわば柔道技のアレンジです。これに対してウルフアロンは「自分は現役時代、大外刈りで投げられたことは一度もない」とコメントしてマスコミやファンを沸かせました。
 試合は、場外でのイス攻撃や、H.O.Tの介入、長机に寝かされて180kgの巨漢レスラー、ドン・ファレのボディープレスを受けるなど、早くもプロレスの〝洗礼〟をこれでもかと受けますが、終盤にやはり繰り出してきた必殺技EVILを切り返しての逆三角締めで、見事な勝利を飾りました。プロレスラー・ウルフアロンは最高のデビューを果たしたといえるでしょう。今後の活躍が大いに期待されます。
 この「1.4」のもうひとつの大きなトピックは、何と言っても「棚橋弘至引退」なのですが、これ以上プロレスについて書くと、さすがに年始とはいえ場違いも度を超してしまうので、やめておきます。

 2025年の個人的重大ニュースとしては「アルビレックス新潟J2降格」がまだあるのですが、これについては私の「小説家になろう」の活動報告において書かせていただきましたので、この場では割愛いたします。

 研究会やミステリとは全然無関係な話題に紙幅の大半を費やしてしまいましたが、年始で、しかもネタ切れということで、お許しください。
 直近の文学フリマに関しては、1月18日の「文学フリマ京都10」。さらに、広島市で開催される「文学フリマ広島8」に初めて出店します。皆さまとお会いできることを楽しみにしております。
 2026年も「新生ミステリ研究会」をよろしくお願いいたします。

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