


妖精館殺人事件

マーダーショー・マスト・ゴーオン ~コンパスの中心で~

あけましておめでとうございます。新生ミステリ研究会会長の庵字です。
さて、新年のご挨拶直後に不躾なことは承知で、宣伝をさせてください。
来る1月19日(日)に開催される「文学フリマ京都9」に参加いたします。「新生ミステリ研究会」名義のほか、姉妹店の「名探偵、皆を集めてさてと言い」もブースを出します。ブース位置は、
新生ミステリ研究会:う-45~46
名探偵、皆を集めてさてと言い:う-47
となります。「新生」には、私のほか、菱川副会長、尾ノ池さん、さらに特別ゲストとして、奥田光治さんにも参加いただく予定です。「名探偵」には、凛野副会長が参加いたします。番号からおわかりのとおりブースは隣接しておりますので、そろってご贔屓いただければ幸甚です。
会のX(旧:Twitter)のポストでも告知済みですが、この京都開催で、豪華な新刊を出します。その名も、
『新生ミステリ研究会からの挑戦状 叙述トリック・アンソロジー』
読んでタイトルのごとく、叙述トリックをテーマとしたアンソロジー集です。価格は500円に勉強させていただきました。ワンコイン価格です。執筆陣と収録作品タイトルは、会のポストをご確認ください。
さて、この2025年の京都開催をもち、新生ミステリ研究会の文学フリマ参加が一周年を迎えることとなります。このときの参加メンバーは、庵字、菱川さん、凛野さん、尾ノ池さん、の四名でした。
始まりは、そこから遡ること約半年前、2023年の夏でした。天草さんの呼びかけでメンバーが集まり、冬に開催される「文学フリマ京都」で本を出そうと決まり、秋には会の名称を「新生ミステリ研究会」と決め、本格的な活動が始まりました。
文学フリマにブース参加するということは、当たり前ですが本を作らなければなりません。版型を決め、入稿できるような体裁にテキストを整え、使用する紙を決め……。すべてがまったくの手探り状態からのスタートでした。
印刷所から届いた本を初めて手にしたとき。開催前日に在来線を乗り継いで(!)新潟から京都へ向かった道程。京都駅に降り立った感慨(ここでガメラとイリスが……)。開催前日の決起会(尾ノ池さんとはここで初めてお会いしました)。開催当日、スーツケースを引っ張っての会場入り。ブースに本を並べ終え、開場を待つ緊張。そして、初めて本を買っていただいた瞬間。終了後の打ち上げ。どれもが皆、鮮烈な記憶で、大げさかもしれませんが、生涯忘れることのない思い出になりました。
そういったこともあり、京都開催には個人的にたいへんな思い入れがあるのです。新年のご挨拶直後に宣伝させていただいたのには、こういった理由があります。文学フリマを何度か経験するうちに、少し「こなれてきた」感は正直あるのですが、「初心忘るべからず」の精神を文字どおり忘れずにこれからも驀進して行きたいと思っております。
この「文学フリマのために本を作る」という作業を進めるにあたり、一太郎での文章入力はもちろん、エクセルやCADといったソフトの操作などの、私が過去に培ってきたスキルが色々と役立つことになりました。
特にCADの操作は、前職で職務上必要に迫られて憶えたものであって、その職務以外で使ったことがなく、「潰しのきかない無駄なスキルだ」まで思っていたのですが、まさか、こんな場面で役に立つことになるとは想像もしていませんでした。
エクセルにしても同じです。「なんでディスプレイ上の表示と印刷結果が一致しないんや! お前はアホか!」のストレスと戦ったり、イルカに対して「お前を消す方法」と打ち込んだり、そんな攻防を繰り返しながら、少しずつエクセルの癖みたいなものを計算に入れて表や文書を作れるようになっていきました。が、正直、「こんなこと憶えても何にもならんしなぁ……」と感じていました。
何が言いたいのかというと、「何がどこで思わぬ形で役に立つか分からない」ということです。一見「無駄だ」と思えるようなことであっても、それが将来何かの役にまったく立たない、とは誰にも言えません。特に、小説を書く、という趣味、あるいは仕事を持っている(将来の仕事にしたい)のであれば、明らかなマイナスな経験でも「ネタ」に出来るときが必ず来ます。私も仕事やそれにまつわる人間関係で、嫌なことをたくさん経験してきましたが、それらは今や小説のネタとして使われています。そんなこともあって、私は、何かしらネガティブな経験をしたり、嫌な人間に出会ったりしても、「ネタをゲットした」と切り替えてそれらを受け止めることが出来るようになりました。むしろ、「ネタをくれてサンキュー」くらいの気持ちでいます。中禅寺秋彦(京極堂)なら、こう言うのではないでしょうか。「この世には無駄な経験など何もないのだよ、関口君」と。
小説(特にミステリ小説)を書く、というのは、なんと心の平穏を保てる趣味なのかと思います。人類全員ミステリ小説を書くようになれば、世の中の揉め事の半分はなくなるのだと信じられます。
そんなわけで(どんなわけだ)、2025年も「新生ミステリ研究会」をご贔屓いただければ幸甚です。
しつこいようですが、
1月19日、
〒606-8343 京都府京都市左京区岡崎成勝寺町9-1 京都市勧業館みやこめっせ1F第二展示場(京都市営地下鉄東西線「東山(ひがしやま)」駅(T11)より1番出口から徒歩約8分)にて、
11:00~16:00の5時間のあいだ、
「う-45~46 新生ミステリ研究会」、及び「う-47 名探偵、皆を集めてさてと言い」にてお待ちしております。