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文学フリマ福岡12_雑感

庵字

 樹さんは途中の時間帯のみブースに入ってくれたため、今回初めて事実上庵字のワンオペでの出店となりました。ひとりでの準備、運営、撤収作業はなかなかに大変で、これだけの規模(冊数)のブースをワンオペで回すのは難しいと感じました。
 過去二回出店した印象では、時間帯まんべんなくお客さんが訪れる平均型というのが福岡の特徴ですが、今回もそんな傾向がありました。真ん中の13時台がもっとも売り上げが多かったですし、終了間際に訪れてくれたかたもいらっしゃいました。その一方、過去二回の福岡では、全商品がまんべんなく売れていた印象がありましたが、今年は動かない本が散見され、これは文学フリマ全体の傾向でもあるのだと思いますが、来場者の求めるものがはっきりしてきた(直接的な表現をすると、売れるものと売れないものがはっきりしてきた)ように感じます。とはいえ、個人的には「書きたいものを書いた本を並べる」というアマチュアイズム(文学フリマの本来の概念でもあったと思います)にはこだわっていきたいと思っています。
 今回は印象的なお客さんが何名かいらっしゃいました。過去の福岡で『桜野最期』と『渦目止水』を購入して「めちゃめちゃ面白かった」と、凛野さんの最新作『見栄えさかな』をお求めになられたかた。小学校中学年くらいの男子がお母さまと思しき女性と訪れ、「子供に読ませても安心なミステリ」(いわゆる「エログロ的な要素のないもの」ということでしょう)をお探しで、「ミステリ小説初心者」という条件も提示されていましたので、僭越ながら、短編集で読みやすいだろうと拙作をお薦めして『山手線』と『ミスフリVol.1』をお求めいただきました(初心者向け特集の『Vol.6』をお薦めしたのですが、「ナンバリング順に読みたい」ということで『Vol.1』を手に取られました)。『異常識1』を昨年読み、面白かったからと『2』をお求めになられたかたもいらして、こういったお客さんの声を直に聞けるのは文学フリマに出店する醍醐味だろうと思います。また、有名なミステリ読書アカウントのミスおじさんに『叙述アンソロ』を紹介していただいたことで、「ミスおじさんのポストを見て来た」というかたもいらっしゃいました。こういう形で作品を目に留めていただけるのは嬉しいことです。
 今回の無料配布については、ワンオペで配る時間があまり取れないだろうという事情と、実験的な試みとして、事前に配布物の冒頭をXで公開したうえで「ご自由にお持ちください」の案内とともに配布紙をテーブルに置いておく、という形式を取ってみました。手が空いたときには通常どおり手渡しもしましたが、こちらが何も声をかけなくともテーブルの配布物を取ってくれたかたが十名以上いらっしゃいました。結果、過去最低の62部しか出ませんでしたが、状況を見ればじゅうぶんな成果だったかと思います。テーブルのスペースに余裕があれば、今後もやっていきたいと思います。
 また、今回は久しぶりに尾ノ池さんのディスプレイ棚を使用しない設営を行ったのですが、やはり「目立つ」という観点では寂しい見た目のブースになったように思います。その影響なのかもしれませんが、ブースに目を留めて立ち止まるかたはいつもより少ない感じを受けました。







無料配布

『八百墓村』庵字


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