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800字擬似書評……あなたは何冊わかりますか?

 

※以下の『十角館の殺人』書評のなかには37冊の本のタイトルが紛れ込んでいます。
このコラムの読者の方々は何冊わかりましたか?(本記事を読む場合は、できれば『十角館の殺人』読了済みであるほうが望ましいです)

綾辻行人『十角館の殺人』疑似書評

 死はすぐそばに……これはクローズド・サークルに必要な要素だろう。そして、このクローズド・サークルにおいて事件を考察する若者たちは、七つの仮面と七つの欺瞞、そして七つの裏切りに気づかないままだ。若者たちが島に渡ったとき、闇の歯車は動き出した……彼らにとっての赦免花は散ったのだ。孤島は復讐法廷と化したが、終止符には早すぎるとばかりに犯人は事件を起こす。犯人は法廷外裁判をおこないながら、死にゆく者への祈りを忘れない。犯人から被害者たちへの慈悲の報酬は、壜の中の手記にわすれなぐさとして託されていた。天国に結ぶ戀を願いながら……。

 本作において名探偵登場は運命の八分休符のように、緊張と弛緩の効果を生み出している。名探偵とは〝NADA〟──すなわち「虚無」に憑かれた死を解き明かす、人の死に行く道を照らしだす光であり、無頼の掟のようなカオスに秩序をもたらす「神」である。
 本作における名探偵・島田潔は水面の星座、水底の宝石のごとくほの暗く真実を照らし出す。本来的に名探偵は、これよりさき怪物領域といった部分で本領を発揮しなければならない。名探偵は青い野を歩くように、複雑な殺人芸術を単純化する責務を負うのだ。

 ここで小説から遠く離れてみよう。新本格ミステリムーヴメント以降のミステリの美学とは、娯楽としての殺人を極めることだった。本格ミステリの夜がまだ明けないとき、復活の日を望んでいた読者も多いだろうし、その本格ミステリの復活の日は暗い落日の象徴ではなく、やっと訪れた春に咲いた赤い収穫のような希望だったのだ。
 新本格ミステリムーヴメントの意義とは、旧来の本格ミステリの役割であった読ませる機械=推理小説という図式を復活させたことにあり、論理の蜘蛛の巣の中での遊戯を再発展させたことにあるだろう。夜明けの睡魔をもたらす本格ミステリは、娯楽としてある種完成されたものなのだ。

答え
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答え

1:死はすぐそばに(アンソニー・ホロヴィッツ)……これはクローズド・サークルに必要な要素だろう。そして、このクローズド・サークルにおいて事件を2:考察する若者たち(三宅香帆)は、3:七つの仮面(横溝正史)と4:七つの欺瞞(ウィリアム・P・マッギヴァーン)、そして5:七つの裏切り(ポール・ケイン)に気づかないままだ。若者たちが島に渡ったとき、6:闇の歯車(藤沢周平)は動き出した……彼らにとっての7:赦免花は散った(笹沢左保)のだ。孤島は8:復讐法廷(ヘンリー・デンカー)と化したが、9:終止符には早すぎる(ジャドスン・フィリップス)とばかりに犯人は事件を起こす。犯人は10:法廷外裁判(ヘンリ・セシル)をおこないながら、11:死にゆく者への祈り(ジャック・ヒギンズ)を忘れない。犯人から被害者たちへの12:慈悲の報酬(藤原審爾)は、13:壜の中の手記(ジェラルド・カーシュ)に14:わすれなぐさ(吉屋信子)として託されていた。15:天国に結ぶ戀(大越孝太郎)を願いながら……。

本作において16:名探偵登場(ウォルター・サタスウェイト)は17:運命の八分休符(連城三紀彦)のように、緊張と弛緩の効果を生み出している。名探偵とは18:〝NADA〟(ジャン=パトリック・マンシェット)──すなわち「虚無」に19:憑かれた死(J・B・オサリヴァン)を解き明かす、20:人の死に行く道(ロス・マクドナルド)を照らしだす光であり、21:無頼の掟(ジェイムズ・カルロス・ブレイク)のようなカオスに秩序をもたらす「神」である。
本作における名探偵・島田潔は22:水面の星座、水底の宝石(千街晶之)のごとくほの暗く真実を照らし出す。本来的に名探偵は、23:これよりさき怪物領域(マーガレット・ミラー)といった部分で本領を発揮しなければならない。名探偵は24:青い野を歩く(クレア・キーガン)ように、25:複雑な殺人芸術(法月綸太郎)を単純化する責務を負うのだ。

 ここで26:小説から遠く離れて(蓮實重彦)みよう。新本格ミステリムーヴメント以降の27:ミステリの美学(仁賀克雄 編)とは、28:娯楽としての殺人(ハワード・ヘイクラフト)を極めることだった。本格ミステリの29:夜がまだ明けない(井上先斗)とき、30:復活の日(小松左京)を望んでいた読者も多いだろうし、その本格ミステリの復活の日は31:暗い落日(結城昌治)の象徴ではなく、32:やっと訪れた春に(青山文平)咲いた34:赤い収穫(ダシール・ハメット)のような希望だったのだ。
新本格ミステリムーヴメントの意義とは、旧来の本格ミステリの役割であった35:読ませる機械=推理小説(トマ・ナルスジャック)という図式を復活させたことにあり、36:論理の蜘蛛の巣の中で(巽昌章)の遊戯を再発展させたことにあるだろう。37:夜明けの睡魔(瀬戸川猛資)をもたらす本格ミステリは、娯楽としてある種完成されたものなのだ。


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