


【ず死ーマッ】を追え、崖から飛べ

『方舟』は本格ミステリのシンギュラリティか

尾ノ池花菜
ジョン・ディクソン・カーを知っていますか??
長い名前ですね。長い名前で逆に覚えやすいかもです。また彼は、カーター・ディクソン、カー・ディクソンという名前もペンネームとして使っていました。ミステリー好きの間では、「カー」の名称で有名です。
彼は生涯で多くの短編、ノンフィクション、70作品以上のネオ・ゴシックとミステリー小説を発表しています。特にカーは密室殺人の第一人者として名を馳せています。彼の密室ミステリーは一見、人間が介在したとは思えない不可能な状況において殺人が起きます。その状況を、カーが生み出した名探偵たちが冷静な理性をもとにした論理で解決していくストーリーは爽快です。カーの作品では、ヘンリ・ベンコリン、ギデオン・フェル博士、ヘンリー・メリヴェール卿、マーチ大佐など魅力的な名探偵たちが活躍します。ゴシックやサスペンスの雰囲気、時に超自然現象、時に高度な喜劇やラブロマンスを織り交ぜながら、カーは手がかりと容疑者、動機を提示し、本格ミステリー小説の歴史に花を添えました。
彼の多彩な作品のなかで、尾ノ池が気に入っている、ギデオン・フェル博士が活躍する作品を3つ、ネタバレなしで本日はご紹介します!
I.「幽霊屋敷」
イングランド東部に位置するロングウッド・ハウス。かつて老執事がシャンデリアの下敷きになり、奇妙な死を遂げた館は、「幽霊屋敷」と呼ばれていた。この屋敷を購入した男主人は、幽霊パーティを開く。そのパーティの最中に不可解な殺人事件が起きた。現場に居合わせた被害者の妻が、銃が空中を舞って被害者を撃ったという。銃が宙を舞って人を殺す??この不可能犯罪に、フェル博士が挑む。
カー特有のロマンスとオカルト趣向が交わり、物語にアクセントを加える本作。いや、銃が空中を舞って人を撃つなんて、どうやって推理するんじゃ!と思うが、しっかり解決することは脱帽もの。事件が解決した後のドラマにもひねりがあり、最後まで楽しませる作品。
II.「悪魔のひじの家」
新生ミステリ研究会、菱川あいずのXスペースでの課題図書!
「悪魔のひじの家」と呼ばれる屋敷を相続したニックは、友人のガレットを誘って屋敷を訪ねる。ニックは相続問題に頭を悩ませていた。屋敷に到着した2人は、叔父が空砲の銃で撃たれるという奇妙な事件に遭遇する。この屋敷には、幽霊が出るという噂があった。叔母エステルの誕生日会の準備の最中、叔父が本当に銃で撃たれ殺害された!犯人は部屋から消えており、叔父は密室の中で死んでいたのだ。なぜ叔父は二度の銃撃に?犯人はどうやって密室から逃げ出したのか?難解事件にフェル博士が挑む。
まず「悪魔のひじ」ってなんだ!(答えは貴方のなかにあります。)こちらもオカルティックな作品で、雰囲気がワクワクする。一度目の空砲事件や、二度目の銃撃事件について、しかりと謎が回収されていく丁寧な作品です。人物が覚えにくいのは、翻訳ミステリーのご愛敬。
この作品についてわちゃわちゃ語った読書会の様子はこちらから聞くことができます!
III.「三つの棺」
舞台はロンドン。仮面をつけ、コートと帽子を身にまとった謎の男が、グリモー教授のもとに現れた。そして、2人がいた書斎から銃声が。その場に居合わせたフェル博士がドアを壊して部屋に入ると、瀕死のグリモー教授が倒れていた。そしてこの密室から謎の男は消失していた。家政婦や秘書がいたにもかかわらず、男はどのように消失したのか。グリモー教授はなぜ殺されたのか。彼の知られざる過去とは。
フェル博士の独白による密室トリックの分類談義にもご注目の作品。人間関係のドラマと殺人のトリックが交わる複雑なプロットに力がある作品。登場人物を押さえて物語に没入できれば、緻密なトリックに脱帽すること間違いなしの読み応えがある作品です。
そして今回、新生ミステリ読書会で「三つの棺」オンライン読書会を開催します!聴講だけでもウエルカムです!
詳しくは以下!
【新生ミステリ研究会オンライン読書会】
3/21(金)20時~ ジョン・ディクソン・カー
『三つの棺』オンライン読書会
これを読めば、あなたも密室の虜!?
「密室の帝王」ジョン・ディクソン・カーの代表作、『三つの棺』。最上級の密室殺人を皆様と楽しく!熱く!和やかに!語りたいと思います!
ZOOMアクセス:
https://us06web.zoom.us/j/87369923746?pwd=bBtHMEzRTSYjQCf8FVzx97y3VYI1Xk.1