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コラムを更新しました:どうしてUncover the Smoking Gunについてみんな語らないの?
片里鴎です。あいも変わらずミステリ自体ではなく別の話をしていこうと思います。前回多分SFの話をしたと思うんですが、今回はSFと同じくらい好きなジャンル、時代小説の中でも更に細分化したジャンルの一つ「秘剣モノ」について語らせていただければと思います。これがミステリでもある、という切り口でお話をさせていただければ。
まあー正確に言うと時代小説における秘剣だけではなくて、現代が舞台で格闘技における「奥義」も同じなんですけど。ただ格闘小説って少ない気がするんで、寡聞にして夢枕獏作品あたりしか知りません。
ともかく「秘剣」「奥義」がミステリでもあるんで、ミステリ好きは結構好きなんじゃあないかって話をしたいんです。どうしてミステリなのか。それはそもそも、「秘剣」「奥義」が隠されているものだからです。
奥義とか秘剣が門外不出で、免許皆伝者とか後継者にだけ口伝で伝授されたり「秘伝書」に記されていたり、というのは皆さんイメージにあると思います。
具体的な例で言うと、漫画「シグルイ」の虎眼流では「星流れ」を使用する際は至っていない弟子は全員目隠しつけなきゃいけなかったし伊良子が「星流れ」を衆人環視の場で披露した時には牛股が見物客含めて見た奴全員殺したいなーって思っていたりしました。(シグルイ知らない人には全く意味が分からない文章)あるいは漫画「喧嘩商売」「喧嘩稼業」で出てきた「煉獄」も使用する際には敵味方の区別なく第三者に見られないように気をつけなければならない、道場で使用する際には見物していた弟子を全員壁を向かせる、といった描写がありました。
さて、どうして隠すのかというと、リアルな話をするともったいぶって値打ちこいてるだけです。江戸時代とかに剣術の流派でやたら段位があったりとかするのもそこらへんらしいっすね。神秘性とか希少性高めて金稼ぎです。何のロマンもないですな。
しかして、創作上での「秘剣」「奥義」が隠されている理由は、(強すぎるから心ある人間にしか伝授しないみたいなファンタジー的な理由を別にすると)多くは「術理を知られる=対策をとられる」からです。情報秘匿による優位性ってやつですね。
言い方を変えれば「初見殺し」です。どんな技どんな術理なのかを相手に知られていなければ絶大な効果がある技なんですね。逆に知られて対策とられたら効果が激減する。
ってことで「秘剣」「奥義」が登場した場合、往々にして「それがどんな技なのか」を探ることになります。色々なヒントやかつてその技が使われた状況、歴史、そして何よりも技名。そこから推理することになるんですね。
あ、そうそう。技名について。奥義とか秘剣はケレン味的な理由だと思いますが、何故か技名だけは分かってるケースがほとんどですね。またいいんですよね、技名が。もうどんな技なのか想像力が掻き立てられるというか。秘剣「馬の骨」「傘の下」とか隠し剣「鬼の爪」とか必死剣「鳥刺し」、「竜尾返し」に「地擦り青眼」「松風」「天翔龍閃」あとは日本一有名なものでは「燕返し」ですかね。いやーわくわくしますよね。
技名や逸話から「一体どんな技なんだ」という魅力的な謎が出題され、それを様々なヒントから推理する。そうして、解決編としての果たし合い。まさにミステリ!
ということで、ミステリ好きだけど時代小説はあんまり読んだことないなあー、という方々。まずは秘剣モノ(特に短編集)を読んでみることをおすすめします。そこから時代小説沼に沈んでくれる方々が一人でも多くなることを祈って。