★公開★最新BOOK CATALOG_新生ミステリ研究会
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ブエナス・タルデス、広島ー!
去る2026年2月8日、広島産業会館で開催された「文学フリマ広島8」にて、新生ミステリ研究会が広島初出店を果たしてきました。会の出店が初、そして、私(庵字)自身も広島を訪れるのは初めてであり、これはもう広島を楽しむしかねぇ、ということで、がっつり三泊四日のスケジュールを組んで行ってきました。今回はそのレポートです。
2月7日(土)
広島への道程は、新潟空港~伊丹空港~新大阪駅~広島駅、という、空路と新幹線の合わせ技で向かいました。帰路はこの逆です。それにしても伊丹空港の便の良さです。1月の京都も伊丹から鉄道で京都入りしましたし、直接乗り込める大阪はもちろんのこと、今回は広島への中継路として、都合、文学フリマ三会場への交通手段となっています。2026年6月現在、新潟~伊丹間は、JAL、ANA、IBEXと三路線が入っていますが(ANAとIBEXはコードシェア便)、末永く航路を維持し続けてほしいと願います。
今回の文学フリマに参加するメンバーは、私と尾ノ池さんの二名ですが、尾ノ池さん所用により、毎回恒例の前夜決起会は今回は開催されませんでした。よってこの夜は単独決起会です。広島といえばお好み焼きなのですが、主立ったお店はどこも満員だったため、駅から少し外れた、お好み焼きというよりは居酒屋メインのお店の暖簾をくぐりました。お酒とお好み焼きを注文して、出されたお通しがまさかのミニお好み焼き! メインのお好み焼きが巨大で、ひょっとしてこれは二名や三名でシェアする前提のメニューだったのでは……? と感じつつも完食しました。おいしかったです。


宿に戻り、ローカルテレビ局の天気予報を見ていたところ、「明日は雪が……」という気象予報士の言葉に耳を疑いました。雪? 2月の広島で雪? ……まあ、言うても朝方に細雪がちらついて、お昼までには溶けてなくなる程度やろ。根拠のない楽観視が裏切られたのは、翌朝を迎えてのことでした。
2月8日(日)
雪、がっつり積もっとるやんけ! 前日の出てきたときの新潟以上やで! わしの足下は春用のスニーカーやないか! どないやねん広島!
雪は交通機関の流れを直撃します。会場までの足である広島電鉄は、路面電車であることも影響したのでしょう、ダイヤが乱れに乱れ、予定時刻を大幅に遅れて会場入りする羽目になりました。決起会が開催されなかったので、入場券は私が当日に尾ノ池さんにお渡しする形となっていたため、先に到着されていた尾ノ池さんにはご迷惑をかけてしまいました。
当然、この大雪は文学フリマそのものにも大きく影響を与えました。雪で参加を見送らざるを得なくなってしまったのでしょう、開催時刻になっても空いているブースが散見されます。年に一度の広島開催。地理的にここにしか出店できない、というサークルも多くあったはずです。その無念さたるや、いかばかりのものか。それは一般来場者も同じでしょう。年に一度の地元開催を心待ちにしていた方も大勢いらっしゃったはずで、そのうちのどの程度が来場を見送る苦渋の決断をしなければならなかったのか。お察しします。
そもそもの地方都市での小規模開催に加え、雪による客足の鈍りもあり、ブースとしての販売数は予想を下回りました。出店時の様子などは、別途「雑感」にまとめてありますので、よろしければそちらもごらんください。
そうして雪による思わぬ打撃を受けた文学フリマ広島8は終了したのですが、新生ミステリ研究会としては、このあとにも大きなイベントが控えていました。結成当初からのオリジナルメンバーでありながら(『ミステリ・フリークスVol.1』に寄稿いただいています)、地理的な関係でこれまで一度もお会いする機会のなかった、片里鴎さんに、打ち上げに参加いただけることになっていたからです! とはいえ、この雪で交通状況もままならない中です。ラインで、「安全第一で無理はなさらずに」と確認をとっていたのですが、なんと大丈夫だとのこと。「新生ミステリ研究会」発足のきっかけとなったオフ会が開催されたのが2023年8月。片里さんもその会に参加される予定だったのですが、天候の関係で直前になって見送られたことがありました。それから二年半。念願叶い、片里さんとお目にかかり、お話をすることが出来ました。この場を借りてお礼申し上げます。片里さん、悪天候の中、ありがとうございました。ちなみに、この打ち上げでもお好み焼きをいただきました。
2月9日(月)
広島三日目。往路、帰路、文学フリマのどれとも重ならない、完全フリーの日です。雪はやみ、交通に支障をきたさないくらいに残雪も少なくなった朝、私が足を運んだのは、日本三景のひとつ「宮島」でした。広島電鉄に揺られること一時間と少し。それからフェリーに十分ほど乗船し、いざ宮島の地を踏みます。ここにも雪は残っていて、雪を抱いた宮島、厳島神社というのもなかなかに風情がありました。


宮島では普通に鹿がそこらを我が物顔で練り歩いています。文学フリマ京都で訪れた奈良といい、最近は鹿と縁があります。


平日とはいえさすが日本三景のひとつ。けっこうな人出でした。
ほかには水族館(その名も「みやじマリン」)に入り、宮島名物(らしい)鹿をモチーフとしたモカのデザート(その名も「しかモカ」)を味わって宮島をあとにしました。本土に到着し、電車が来るまでの空き時間で、またしてもお好み焼きを味わいました。


2月10日(火)
いよいよ広島最終日。飛行機搭乗時間の関係上、広島にはお昼過ぎくらいまでしかいられないため、観光は広島駅近辺に絞りました。
まず向かったのは「広島城」折しも、ここの天守閣が閉場間近ということで、最初にして最後の観光になりました。


広島城は別名「鯉城」とも呼ばれているそうで、「昇鯉(しょうり)の像」なるものがありました。祈願を込めて撫でれば勝利間違いなし、という触れ込みで、新生ミステリ研究会メンバーそれぞれが思い描く「勝利」を祈願して撫でまくってきました。

広島最後に訪れるのは、ここ。広島市に来たからには避けて通ることは出来ない場所。「原爆ドーム」です。


平和記念公園内にある「広島平和記念資料館」も訪れました。ここに記録されていることが、何百年、何千年前ではなく、たかだか八十年前に起きたことだという事実がにわかに信じられません。八十年前など、今生きている我々と考え方や思考パターン、文化や生活スタイルなど、ほとんど変化はないでしょう。八十年前に書かれた書物も現代人は普通に読めますし、「同時代」とくくっていいレベルです。思考や生活文化を想像することも難しいはるか大昔の人間ではなく、我々と同じ時代の人間がこれをやった、こういう目に遭った、と考えるだけで人類に絶望しそうになります。
まあ、言うても今現在も地球上で戦火は絶えませんからね。人間というのは何千年、何万年と歴史を重ねようが、決して精神的な進化はしない生き物なのだなと思うより納得する術はありません。これからも我々人類は、殺し、壊し、奪い続ける歴史を重ねていくことになるのでしょう。弱肉強食のルール下で生きる野生動物となにも変わりはありません。いえ、破壊と殺戮を繰り返すなかで湯水のごとく資源を浪費し、自然環境を破壊しているぶん、どんな猛獣も比較にならないほどやっかいな存在です。
往年の特撮ドラマ「大鉄人17(ワンセブン)」において、地球環境保全のために作られた巨大電子頭脳ブレインは「地球環境保全のために人間は有害」と結論づけ、美しい地球を守るため、人類に対して全面戦争を仕掛けました。あるいは、「ウルトラセブン」第8話「狙われた街」において、人間同士の信頼関係を壊して人類滅亡を狙ったメトロン星人は、数十年後「ウルトラマンマックス」第24話「狙われない街」で再登場した際には、「地球人は愚かだから勝手に滅ぶ」と見切り、自分たち異星人が手を下すまでもない、と侵略行為から手を引いていました。我々人間だけが、この地球上において唯一知性を持つ生物として現出した意味を問い直してみないといけません。
原爆ドームの近くに珍しい構造物がありました。「相生橋」という橋で、橋の途中に別の橋が繋がっているという面白い構造をしています。平面で見ると橋が「T」の形になっているわけです。なにかのトリックに使えないかなと密かに考えています。


最後に、これは書いておかねばならないという逸品をひとつ。「尾道ラーメン」です。尾ノ池さんが「おいしかった」とおすすめしていたラーメンで、それなら私も、と広島駅構内にあるお店でいただいたのですが……これはおいしいですよ! 舌の内側にまで染みわたるような旨みが癖になります。久しぶりにラーメンをスープまでほぼ完食してしまいました。お好み焼もおいしいですが、広島に行ったら尾道ラーメンもぜひ食べてみてください。

以上、雪に見舞われながらも充実した広島滞在でした。なにせ初めての土地というのは心が躍ります。これで「新生ミステリ研究会」未踏の地は香川だけとなりました。
ということで、来年の文学フリマ広島にも、新生ミステリ研究会が出店するのかしないのか、その答えはもちろん……トランキーロ! あっせんなよ!
