All for Mystery Freaks

25歳だから64の話をする

 

本日をもって25歳になりました。直角三角形です。

人生5回目の完全平方数なので64について書き連ねようと思います。

文脈に則れば81と『シャドー81』について書くべきなのでしょうけれど、今回は64の気分です。

この場をお借りして、題名に数字が含まれるミステリ作品においてユッシ・エーズラ・オールスン『特捜部Q ―カルテ番号64―』、横山秀夫『64』の64は面白い偶然ではないかと気づいた寝起きが存在したことをメモしておきたいだけでもあります。

『特捜部Q ―カルテ番号64―』 『64』

2作品とも有名なので既読の方も多いかと思います。

殺人とは程遠い印象を受ける淡白な題名である反面どちらも作中で扱われる人間関係や主題は重厚であり、なおかつ64が象徴するのは置き去りにされた過去です。

作品名に数字を含める意図として印象に残りやすく単語よりも短い文字数で意味を伝えやすいからだと考えられますが、推理小説の題名に用いる数字として64が選ばれたのは起こりにくい希な事象ではないかと予想しました。

どなたか国内外のミステリ作品の数字を含む題名を集計して統計から実証していただけると嬉しいですが、

参考までに、人間×2が示し合わさず数字を選択するとき、

0~9から選ぶとき重複する確率は、1パーセント

0~100から選ぶとき重複する確率は、およそ0.0098パーセント

よく用いられる有意水準は5パーセント未満または1パーセント未満だということを踏まえると、重複しにくいことは想像に易しいと思います。

また、上記2作については、64ビットや西暦のように共通の意味を持つ数字から拝借したわけでもなければオマージュやパロディなどのように題名を既作に似せたわけでもありません。著者らが示し合わせたとも考えにくいでしょう。

一般的に題名は作品の重要な要素として扱われますから、作品と無関係な数字は選ばれようがありません。

では、なぜ64が選ばれたのか。

そう。かっこいいからですね。

語感よし、フォルムよし、使用感よし。三拍子が揃っていて素晴らしいです。

かっこいい要素として特筆すべきは、数学的美しさ。

2の6乗であり4の3乗にして8の2乗……1を除いた最小の平方数かつ立方数でいらっしゃる64さん。

当然、7つある約数(1,2,4,8,16,32,64)はすべて偶数であり、2進数の表記では1000000です。

奇数とも無関係ではなく1から15の奇数の和(1+3+5+7+9+11+13+15)となるミステリアスなお顔を隠しています。

おかげさまであらゆる分野で登場します。

チェス盤のマスが8×8=64というところから、情報技術分野にて通信や64進数を由来としてNintendo64、Base64のように命名されていたり、生物学ではアミノ酸を1つ指定するためにA、U/T、G、Cの4種類の塩基を3つ用いるコドンの組み合わせは64種類だったりしますよね。

中国古典『易経』の六十四卦では古代中国の宇宙観や変化を陰陽を用いて64パターンに分類しており、また64を交点として、後に17世紀の数学者ライプニッツは彼が研究していた2進数と六十四卦の対応に注目しています。

人は美しさに惹かれるものですから64に目を奪われるのも無理はありません。

ミステリ好きがときおり異様な執着を見せるミッシングリンクというものがありますが、古代から現代まで科学や文化のあらゆる分野で重要な意味を持つ64との相性が非常によろしいわけですね。

ちなみに、語感とフォルムについてはわたしの主観以外の何物でもありません。
この2点について書くには時間と体力が足りませんでした。


Mystery Quiz

    Contact